闇にうごめく3つの影、時々月の光に映し出される銀色の髪はこの真っ暗な夜に一段と映えている。
「SAPも動き出した。STOCに比べたら大したこと無いがあっちは規模が倍以上だ」
リーダーと思われる男が他の2人に言った。
「今回の任務はいつもより慎重に、ってことですよね」
少し若めの男が辺りを見渡しながら応える。
「おい、夜美(ヨミ)聞いてんのか?」
「うん、聞いてる」
少女の美しく透き通った声、これからテロを起こそうとする者には似つかわしくない声だった。
「雨羅(ウラ)、お前は夜美と行動しろ。この前みたいに失敗しないようにお前が見張っていろ」
「分かりました。…夜美、またこの前みたいに甘っちょろいこと言うなよ。今度はマジで殺すぞ」
雨羅は脅すように言ったが聞いていないのか恐くて言い返せないのか、夜美は何も応えない。
「調子狂うんだよクソガキ、…ところで凪(ナギ)さんはどうするんですか?」
「俺はSAPに挨拶でもしておこうと思っているんだが、どうだ?」
「どう…って、…まぁ凪さんがやりたいことはだいたい分かります。SAPの最新の戦闘服が気になってるんでしょ?」
凪はフッと笑った。
「まぁ、そんなとこだな」
一通り話終えると3人は各々の任務にあたった。