Red12zone

FREE.  2008-01-07投稿
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「これが欲しいんだろ」

俺は青白い2本の腕を目の前の化け物に見せ付けた

ギィィアアァアア!!!!

化け物の態度は一変し大きく叫びだした

すると上にいる奇形どもが足を早め一斉に地下に向かって来た

グゥゥォォォ!!!

ウオォアァァ!!!!

「智恵!来い!!」

智恵は隠し部屋から地下へ繋がる隠し空洞を滑り降りてきた

「お兄ちゃん!来るよ」

「3、2、1……じゃあな」
秒読みと共に赤い線から化け物側の場所全体が赤い光りに包まれ一瞬にして全てが消えた

家は真っ二つに半分残り消えた所は真っ赤な亜空間だった

「終わった……」

俺は手に持っていた青白い腕を亜空間に投げ捨てた

「終わったんだ智…!?」

思わぬ事態が起こった

「お…オニイちゃン……アたしタスカったハ……ウゥ…」

智恵は全身が真っ黒になり身体が変形しつつあった

「そ…そんな…馬鹿な…薬はうったはずだ!」

「待てよ!何か…何か方法が」

「オニイチャン……モウイ…イノ…」
「ハヤ…ク」

「コロシ…テ…」

「で…できない…」

「アリガ……トウ」

「逝くな……智恵…逝かないでくれ…………1人に……しないでくれ…」

智恵は面影を一切残さず異形の者と化した

ウゥゥ……アァァゥ……

俺はただ立ち尽くしていた

「智恵……俺…もう生きる気がしないや……」

「淋しいよ…」

…ウゥゥ……ウゥゥガァァァ!!




「あなた、早く開けて」

「待て!落ち着け」

ドアを開けると清弘が玄関を背に座っていた

「清……いるなら電話くらいよこしなさい。心配した………清弘?」

清弘はブツブツ何かに喋りかけていた

「あなた…?」

「おい、智恵はどうした……清弘!」

「チエ…キョウハナニタベヨウカ」

「何やってんだ清弘!どうした」

清弘は手に抱えている気味の悪い真っ黒な人形に話しかけていた


その後、清弘は異常行動が見られ精神病棟に隔離された

智恵は行方不明のままであった

これは人間の孤独の限界(Red zone)に入り込む病気だったのかもしれない

END



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