宝物4

ラク  2008-01-07投稿
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家に帰った俺はベッドの上に横になってしばらく黙っていた。そしてそのまま眠ってしまった。
次の日、窓から入ってくる光で目が覚めた俺は、いつも以上に低いテンションで家を出た。
すると、偶然にも家から出てくる綾を発見した。綾も俺に気付いた。
「おっはよ〜!」
元気な声だ。
「お、おはよ…」
無意識に口が動いた。相手が綾なのに情け無い返事だ。
「優くん、途中まで一緒に行こう!」
「あぁ…」
「元気ないね、どうしたの?」
「いや、ちょっとね…」
俺と綾は電車に乗った。会話が弾まない。そんな中でも綾は無理に俺に話しかけてこようとはせず、そっとしておいてくれた。
「じゃあ、私ここだから降りるね」
綾は一言だけそう言って電車を降りていった。俺は右手の掌を軽く綾の方に向けた。そのままドアは閉まった。結局俺は綾を一度も直視できなかった。
綾は俺より3つ前の駅。確か綾の行ってる大学は結構頭いいんだよな。俺は頭も無いしなぁ…、それに…
最近俺は自分に対してネガティヴになっていることを自分でも実感していた。
一人になっても大学に行くまで頭の中からあの写真のことが離れなかった。



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