レジェンド‐新世紀伝説 13

朝倉令  2006-04-08投稿
閲覧数[438] 良い投票[0] 悪い投票[0]



「ふん、小僧どもの助っ人か。 ……まぁ良いだろう。  ご苦労だったな」



 ここは段英子(タン・イーズ)達の集落から数キロほど離れた場所にある鍾乳洞である。

 偵察を終えて帰還した仲間に、ねぎらいの言葉をかけているこの男は鬼島義行という。

 名前にふさわしからぬ悪業の数々が、男の容貌に不吉なかげりをもたらしていた。


「鬼島、どうする? ここは策を用いるべきだと思うが。 奴らも幾らかは戦いを心得ているだろう」


 声の主は半面に大きな刀傷がある。  井田耕造と名乗る、田宮流居合術の使い手であった。


「無用。  こちらは数で圧倒している。 力押しが一番てっとり早い」


 昂然と言い切った男は、小山の様な雄大な体躯に精気をみなぎらせている。


 劉源治(りゅうげんじ)と名乗るその男は、少林派の外功を得意としている。

「同感だね。 俺たち四天王の力をお子様達に見せ付けてやろうじゃない?」


 分厚い唇をだらしなく垂らしているこの男は神一久(じんかずひさ)。 

 ナイフ投げと暗器(隠し武器)のエキスパートであり、一堂に会した男たちの内でも抜きんでた残忍さを誇る。


「まぁ、待て。ちと考えがある」


 ニヤリと陰惨な笑みを浮かべた鬼島は、仲間たちに細かい指示を与え始めた。







i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 朝倉令 」さんの小説

もっと見る

ファンタジーの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ