「はっ!なんだよ…不合格通知か?はいはい、もう知ってますよ」
俺はふて腐れながら黒い箱を手に家の中へ入った
「こんなもの!糞くらえ」
そう言い黒い箱をゴミ箱に投げ捨てた
「もういい!全部終わりだ!!……クソッ!!」
俺は自暴自棄になり部屋で暴れ回った
「はぁ…はぁ………はは…あはは…あはははは!!」
俺は頭がおかしくなった様に笑いながら仰向けに倒れた
「あはははは…あ?…」
横を向くと黒い箱がゴミ箱からはみ出ていた
少し気になったのか俺は黒い箱を開ける事にした
「お金差し上げます?」
中にはサイコロとボード、説明書らしきものが入っていた
俺はまず説明書を読んだ
<この度は我社の商品DICEをお買い上げ頂きまして誠に有難うございます>
「はっ?俺はこんな物買ってないぞ」
<この商品は全てを失った方に最後のチャンスを与える双六でございます>
<この双六を見事ゴール致しますと我社から現金10億円と毎月の生活援助金3000万円を贈呈致します>
「げ……現金10億円!?」
「こ、こんなの悪戯だろ…ん?」
<ただし、この双六を始めるにあたっていくつか注意点がございます
・この商品は一ヶ月以内のゴールが約束です
・この商品に関して生じたあらゆる障害は一切関与致しません
・この商品を始めますとゴールするまで止める事は出来ません
以上の事をご理解頂けた上で楽しくご利用ください>
俺はこの双六をすることにためらいはしなかった
「一ヶ月以内か…やってやろうじゃないか」
俺は早速双六のボードをひろげ駒を置いた
「あ?何も書いて無いじゃないか、こりゃ楽勝だな」
そしてサイコロを投げた
「2かよ……幸先わりぃなぁ」
すると駒は勝手に動き2マス目に止まるとそこに文字が浮かび上がった
「ん?…3億円の豪邸を無料で入手…ラッキー!」
「さて次いくか!」
そこで家のチャイムが鳴った
「誰だよこんな時間に」
「おめでとうございます、こちらにサインだけ頂けますか?」
「は?なんか当たったの?」
「何言ってるんですか3億の豪邸当てたでしょう」
「まさか本当に!?」