「おばぁちゃん…」 養子のあたしにを大切にしてくれてありがと…
あたしの名前は『亜紀』名字はない。産まれてすぐ施設に預けられて…嫌だった。一度も会わなかった親の名字なんていらなかった。
あの10歳の夏。あたしは学校へ通うこともなく…かといって遊んでいたわけでもなかった。 おばぁちゃんが他界してまた独りぼっちになった。施設に戻ってもいつもの、繰り返しの日々が続くだけだと思った。 「お金貯めて自分だけの家を買おう」
10歳の知恵ではここまでが限界だった。あたしはただ独りで生きていきたかった。
働けないなら…