いつだったか忘れたが、桜を見上げて焦っている自分に気がついた。「この桜をキレイだって思えなきゃ」って。 誰のために、何のためにこんな焦りを感じるのかわからないが、頭の奥から湧いて出るこの感情に支配されていく。桜がキレイに見えない自分が人間ではないように感じた。 今年も、また桜が咲いた。そして私は「きれいだね」と嘘の言葉をつぶやく。 桜の見方がわからない。
新着小説100作品 恋愛ミステリSFファンタジーホラーエッセイ日記ノンジャンル公募投稿作品アドベンチャー詩・短歌・俳句スポーツコメディ学園物その他管理人用