レジェンド‐新世紀伝説 14

朝倉令  2006-04-08投稿
閲覧数[419] 良い投票[0] 悪い投票[0]



「奴らは少なく見積もっても50人はいる様だ。 中には外人部隊にいた奴とか、居合だの少林派の達人だの物騒なのが数名いる」



 偵察行動は、戦いの常識である。 

 晋が状況説明を求めると、万事ソツなくこなすリンがすかさず情報を提供する。

偵察部隊のまとめ役、といった所か。

 そこへ、集落の地形を確かめに出掛けていた村山剛が顔を出した。


「守るに堅く、攻め難い地形だが …… 裏手の谷側が不安だな。 別動隊を差し向けられると完全に包囲されてしまいそうだ」


 猫のように足音も立てず入ってくるなり、剛は晋たちに忌憚(きたん)のない意見を述べる。


 部屋のうちにはリンの仲間が六名、剛の仲間が八名と17人の男たちが集まっていた。


 偵察に出ている林白龍(りんぱいろん)の右腕というべき陳と李兄弟の三名を含めると、20人の戦える男がいる訳だ。


「女、子供はイーズとビアンカの〈虎姉妹〉に任せるとして…‥っと、聞こえたら一悶着あるかな?」


 めずらしく軽口をたたいた後、山際晋は左手首の赤いブレスレットに触れながら


「紅龍(ほんろん=火龍)と青龍(ちんろん=水龍)にもご出馬願えば、何とか格好がつくと思うよ」


と白い歯を見せた。


 表では、柵の内側で走り回る子供らを、すでに打ち解けたイーズとビアンカが一緒になって追い掛けている所であった。





i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 朝倉令 」さんの小説

もっと見る

ファンタジーの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ