宝物6

ラク  2008-01-10投稿
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朝起きて目覚まし時計を見ると7時50分を指していた。ヤベ〜、寝坊した。俺は朝食も食べずに靴を履いた。それでも昨日見た天気予報で雨が降ることを思い出し、玄関に置いてある傘を持ってドアを開けた。
外に出たとき庭に一匹の猫がいるのに気が付いた。のら猫か…、よく見ると右の前足に怪我を負っている。可哀想だ。何とかしてやりたい。してやりたいのはやまやまだが俺には時間が無い。このとき俺は猫の様子よりも左手の腕時計を優先的に見てしまった。そのおかげで時間以外のことがほとんど頭から抜けてしまった…。怪我をした猫を置いて俺は駅に走った。
電車から降りる頃にはもうすっかり猫のことは頭に無かった。再び左手を見ると時計は9時を指していた。あぁ、遅刻だ…。またやってしまった…
大学に着いた俺は周りの視線を回避しながらこっそりと席に座った。ふぅ、何とかバレなかった。危ない、危ない。
授業も終わり、何事もなかったかのように教室を出ようとしたとき、誰かが俺の後ろ襟を引っ張った。
「おい、松田!」

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