課題を終わらせ
周りに人影がなくなると
アイツは口を開く。
本当はずっと話しているのだけど。
周りに知り合いがいないのを確認して
アイツはこう言う。
『今日行っていい?』
その言葉を待っていたかのように
アタシは静かに微笑み答える。
『いいよ。』
二人で駐車場に向かい
途中コンビニで軽く食事とつまみを買い
酒屋に寄って酒を買う。
家に着けば
アイツは手慣れた様子で炬燵に火を入れ
いつもの場所に陣取り
煙草に火をつけ、
テレビの電源を入れる。
その間にアタシはグラスと氷
それとつまみの準備をする。
いつの間にこんな役割分担が出来たのだろう。
アイツが飲み始めると
アタシは酔いが回る前にシャワーを浴びる。
上がればアイツは笑顔で『お帰り』と言う。
結局いつも
次の日があっても明け方まで飲んで
先にアタシが潰れて
一緒の布団で抱き合って眠る。
結局いつも
一体アタシは何をしているのか
そんな自責の念に駆られながらも
アイツに甘えてしまう。
朝になればまたいつもの仲のいい二人。
周りの連中に見つからないように
朝早めにアイツを家まで送り
『また後で』
そう言って別れる。
別れた後に残るのはいつも空虚。