説明が遅れたが、この学校は私立東谷学園といって、偏差値は中の上程度、スポーツにやや盛んであり、野球部は夏の甲子園出場という成績を残している。
生徒の素行も特に問題はなく、スポーツ校として名が知れている。
中松と名乗る奴と別れた後教室に着いた俺を最初に迎えたのは俺を保健室送りにした張本人、みなみだった。
「お兄ちゃん!」
案の定みなみの抱きしめ、もとい怪力ヘッドロックをかけられた。
また気を失ってあの赤髪男たちの場所に連れていかれそうになったが
俺のところに近づいた短髪の男がそれを制した。
「お前ら〜中学時代の夫婦漫才をこの高校でもやるのかい?」
「この状況を夫婦漫才て言えるか!」
この男は五十嵐健吾。
小学生からの腐れ縁で野球小僧だ。この学校では野球をするために入ったらしい。
・・・でようやく席についた俺は中学時代に学校が一緒だった奴と適当に挨拶をし、朝礼の時間まで待った。