そして俺達は和室の障子の隙間からこっそり中を見た。
その和室は様々な物が置いてあり少し狭く感じた。その奥の本棚には先輩などが集めた色々な資料があった。
すると優貴が気付いたらしく小さな声でつぶやいた。
「本棚の一番下の段の本と本の間から何か出てくる。」
「あれ何なの?」
優貴にそう聞かれた俺はどう答えるか迷った。
「そんな事俺にも分からないよ。」
「正太はどう思う??」
俺がそう聞くと正太には意味が分からないような顔をしてこちらを向いた。
「お前ら何言ってるの?? ってか、もしかして二人で俺を騙そうとしてるのか!?」
「もういいよ。俺先に帰ってるから。」
そう言って正太は怒って帰ってしまった…。
正太には何故か分からないが、あの小人が見えてなかったらしい。
そうして俺と優貴はまた障子の隙間から見た。
すると話し声が聞こえたらしく小人はこちらを見ていた。
そして小人は僕たちに話しかけてきた。
話しかけてきたが、声は小さく急いで来たのか息が荒れていてあまり聞き取れなかった。
でも、その小人の国で大変な事が起こってるいて助けを求めているようだった。
「優貴どうする?やっぱり行かないよなぁ。」
俺がそう言うと同時に優貴が「分かった。行く。」
優貴の言葉に俺は戸惑いを隠せなかった。
「暁はどうするの?」
優貴にそう聞かれた俺は渋々とうなずいた。
「分かった。 俺も行くよ。」
その言葉を聞いて優貴は少しホッとしたようだった。
やはり一人では寂しかったのだろう。
「じゃあ行きますよ。」
小人がそう言うと優貴がちょっと待ってと止めた。
何やら紙に書いているらしい。
「もういいよ。」
その優貴の言葉を聞いて進みだした。
でも俺はハッと気付いた…。
「でもどうやって行くんだ?」
そうつぶやく俺に小人は「大丈夫ですからそのまま本棚に近づいてください。」と答えた。
そして俺たちは本棚に近づいた瞬間本棚から光りがもれ、その光が部屋を包み込んだ。
光が消えると、その部屋には二人の姿は部屋には無く本棚の近くに優貴が書いた紙切れ一枚が残っていただけだった。
次回へ続く……