出来るなら戻りたい、過去に戻ってやり直したい、分かってる無理と言うことなんて…
でも俺の中でそれは俺の時を止める。自分は動かないが彼女は段々遠ざかる…そして離れる…
俺があの人と出会ったのは、中2から親に無理矢理行かされた塾でだった。
俺はテニス部に入っていた。
新人戦で団体戦のメンバーに選ばれて俺はコートに立っている。
試合は激しいシーソーゲームだ。
この試合で団体戦の勝敗がつく、打球がネットに当たる、球は相手のコートに静かに落ちた、相手は追いかけるが明らかに届かない。
…そして今俺は賞状を貰いメダルをかけてもらった。
ってのは、俺の妄想。
実際は、塾の先生に当てられ
『分かりません』と答えてる。
これが現実。
塾に来てもう1週間、
春季講習も今日で終わりだ。
“これでこの塾に来るのも最後だ”とそういい聞かせた。
そして最後の生物の講義が終わり春季講習が終わった。
終わるや否や俺は真っ先に学校へ行った。
そしてすぐにウェアーに着替えコートに入る。
テニスをするのは久々だ講習中は予習復習で行けなかったからだ。
…コートに入ると顧問の棚田に呼ばれた。
案の定、部活に来なかった罰で走らされた。でも早くテニスをしたい一心で文句も言わずに走り続けた…。
春休みが終わる。
休みが開けるとすぐ宿題テストが行われた。俺の成績はお世話にも良いとは言えない。
家に帰ると親に怒られた。そしてまたあの塾へ行かされる事になった…これも現実。
そして、ここから俺の中の時は動き始める…