「11月の修学旅行のグループは、各班男女3人ずつです」
先生は前で修学旅行の話をしている。私は昨日告ってOKしてもらった彼氏、彰に声をかけた。
「一緒のグループになろう!私、葉奈と有香を誘うから、彰は一雄君と宮地っちを誘って!」
私は、はりきっていたし、興奮していたので、その時、先生が話している内容は頭に入らなかった。
そして待ちに待った修学旅行。京都の一日研修では、男女1人ずつ行動するのだ。
もちろん、私と彰の2人きりでまわるのだ。京都を。
少しずつお店をみながら歩いて行った。
やがて人気がないところについた。私は、興奮しすぎて、転んでしまった。足からは、血が。
「しょうがない。携帯かして」
「あれ?彰、自分のつかいなよ」
「え?先生言っただろう?女子は携帯を持つ係って」
「…そうだったの?どうしよう!あのとき話、聞いていなかったよー!!!」
そのとき、彰が私をおぶってくれた。背中がとてもたくましくて、暖かった。男の子ってこんなぬくもりがあるんだなぁと思った。
そして、人気があるところに着いた。近くにたまたま先生がいて、傷の手当てをしてもらった。
「彰、ありがとう」