Dream Theater?

K.st  2008-01-13投稿
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「まぁ、どうぞ…」

「おじゃましま〜す!」

部屋へあがると、彼女はぐるりと回りを見渡し、壁に貼ってあるポスターに目を止めた。

「あっ、オレのファンなんだ」

「えぇ、一応…。」

「一応っ!!?」

(やばっ!怒らせた!)

「いえ!大ファンです!」

「よろしい!でさっ、喉が沸いたから何かちょうだいよ。」

と、勝手に冷蔵庫を開け始めた。

「このカクテルいい?」

「ど、どうぞ…」

彼女はジャケットを脱ぎ、カクテル片手にベッドへ座った。

「そこそこキレイな部屋だね、男のわりには。」

「恐縮です…」

俺はいつの間にか正座して床に座っていた。

「あのさ、浜口さん、今、渡米中じゃなかったっけ?」

「ん?」

カクテルを飲みながら横目で応えた。

「誰にも知られないように長い休暇が取りたかったんだ。」

「誰にも知られないように?」

「うん…。オレ、10年間自分のやりたいことに向かってずっと走り続けて来た。私生活を顧みずにさ。」

(20代が楽しい盛りなのに。大変だったんだな…。)

「だから、芸能界から離れて、いろいろゆっくりと考えてみようと思ってね。」

(なるほど、人気歌手には人気歌手なりの悩みがあるんだ。)

「それで何で茨城なの?」

「オレ、プロフィールは東京だけど、出身は茨城県、しかもお前と同じ町だぜ。」

「え!ホントにっ!」

(…って待てよ。俺のこと何で知ってる!?)




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