嘘でも

YUKI  2008-01-13投稿
閲覧数[368] 良い投票[0] 悪い投票[0]

父がいなくなった。
高一の時に父が突然いなくなった。
母と喧嘩の毎日で、私と兄は選択を迫られた。

「パパかママ、どっちについてくる?」
母のその言葉に私の頭の中は今までのことが駆け巡る。

毎晩飲み歩いて酔って帰る母と、仕事から帰ってご飯を作ってくれる父。

どっちについていったらいいかなんて、小学生でもわかる。
でも私は…

母を選んだ。理由は簡単。私がいないと母はダメになると思ったから。

その時の父の顔を今でも忘れない…。裏切られた絶望感に染まった顔。


その翌日、父がいなくなった。一通の手紙を残して。

『子供にも気にかけてもらえない寂しい人生でした』

あの時、嘘でもいいから「父についていく」と言っていたら、今頃父は幸せだっただろうか。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 YUKI 」さんの小説

もっと見る

ノンジャンルの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ