第二章 初恋
塾の授業は今日で3日目、
授業は週2回。
始めは嫌で嫌で仕方なかった。
けど3回目ともなると友達もできまんざらでもない。
そしてこの日あの人と出会う…
俺の行く塾は、クラスが偏差値で段階分けしてある。
俺の席は真ん中のクラスの真ん中より少し前つまり普通だ。
まあそれ以外は普通の学校みたいなもんだ、授業の間には休み時間があるし、授業中に先生に当てられ笑いを取る奴もいる。
そして休み時間になると仲いい友達と喋る奴もいる。
まあ俺もそのうちの一人だ。
…『どこの中学?』
と隣の子が聞くその子は、偏差値で言うなら50点、取り分け可愛いわけでもない。
けどこう言うのは最初が肝心だ、愛想で答える。
案の定あまり楽しくない俺は早く授業が始まれと願う。
教室のドアが開く、よし先生だ!俺はテキストを机に置き用意をし始める。
…あれ?
入って来たのは先生ではなかった、気付くと俺の隣の子と話している。
友達かまあどっちにしろもう俺はお役御免。
が、ここで隣の子が俺の事を入って来た彼女に『友達』だと紹介する。
…友達か、まだ10も話してないんですけど…でも愛想、愛想。
入って来た子を見る。
今まで可愛い子はよく見た、が、今回は俺は今自分が何を感じて、何を思っているかも分からない。
ただ間違いなく言えるのは、
これが俺の初恋でそれがあの人との出会いだった。
彼女は、俺を見て笑い話しかけてくる。
多分人懐っこい性格なんだろう、俺は彼女にどんどん惹かれていく。