「これからは俺のコト,幸多って呼んでよ。約束なッ!!」
瀬上クンに耳打ちされた言葉が,頭の中で何回も何回も再生される。
「…原,宇治原ッ!!」
あたしは先生に呼ばれていた。
「は,はいッ。」
「この時のxの値は何だ?」
やばいッ!!!!
全然話聞いてなかったあ↓↓
ど-しよぉ...
「x=5」
隣りから声が聞こえた。
声がする方を向くと,声の主は浅木クンだった。
「早く答えろよ。x=5。」
あたしの方を一切向かず,ほおずきをしながら言う。
「x=5です。」
「正解。」
あたしは席を着くと同時に
「ありがとう。」と一応お礼を言った。
でも浅木クンには「瀬上のコトばっか考えとんなよ。」と言われた。
一言余計だっつ-のッ!!!!
帰り。
「紗奈,部活行くよお!!」
同じクラスの千夏と杏子が言う。
「うん,わかったぁ!!」
あたしは教科書を鞄に詰め込んで,急いで教室を出た。
あまりに急いでたから,出会い頭に人とぶつかってしまった。
「ご,ごめんなさいッ!!」
顔をあげると…
「瀬上クン!!!!」
瀬上クンはあたしのコトをシカトして,行ってしまった。
何であたしをシカトしたんだろ??
あたし,瀬上クンに悪いコトしたのかなあ??
家に帰ってきても,考えた。
でも考えれば考える程,瀬上クンの行動の意味がわからなかった。
いつも瀬上クンの方から送ってくれるメール。
今日はやけに遅い。
まだサッカーの練習してんのかなあ??
そんなコトを考えてると,パソコンが鳴った。
メールがきたんだッ!!!!
あたしは急いでたクリックした。