最後のデザートも食べ終わり、しばし食休み。
俺はまたタバコに火をつける。
「お前もタバコ吸うのか?」
「お前ぇ〜!?(怒)」
「いや、ごめん。亜妃さん!」
「なんちゃって!もういいよ!」
今度は俺の知らない笑顔をした。なんかやけに安心する。
「私歌手だもん。自分から喉痛められないよ。」
「ご、ごめん、無神経だった。」
すぐさまタバコの火を消した。
「少しくらいは大丈夫だよ。」
「悪い…。」
「そろそろ出るか?」
「うん。」
―。
「料理はお口に合いましたか?」
「はい、とってもおいしかったです。須藤さん、ごちそうさまでした!」
「じゃあ、須藤、会計。いくらだ?」
「では、これで…。」
(ん?色紙とペン?)
「ご来店いただいた事を光栄に思います。あのような笑顔もいただけましたし。サインだけで十分です。」
亜妃は色紙を受け取り、サインして須藤へ丁寧に手渡した。
「須藤悪い、借りができたな。」
「そんなことないっすよ。連れて来てもらえただけで十分す!」
「すまん、近々また来るよ。ごちそうさん!」
そして、俺たちはレストランを出た。