「紘…?」
「ちょっと聞きたいことあったんだけどさ…忘れちまった」
「そぅ…………」
悲しいよ…璃由。
運命って残酷なんだな。俺、今年の運勢大吉だったのに、新年早々、泣いちまいそうだよ…
真冬の海なんて行ったら、絶対に…
「紘…笑って…?」
「璃由………?」
「紘が笑顔じゃないと、私もつまらない。」
「あぁ………!」
彼女の前では、どんなことがあっても笑顔でいようと誓った。
「あっ…!海見えてきたよ…!」
璃由の爽やかな笑顔がはじけた。
「ヨッシャ…!じゃあ、降りる準備するぞ……!」
「うん…!」
真冬の海は、当たり前だが、人気が全くなく、俺たち二人が立っているだけだった。
「きれいだね……」
「あぁ」
真冬の海もすてたもんじゃない。
「ねぇ、見て!」
「ん?」
「あそこ…!空と海が混じってるみたい…!」
空がムカつくくらい晴れ晴れしていて、改正だった。
雲一つなくて、ただ青くて、俺たちに自然の広大さを伝えていた。
「空…すごいきれい…」
「すげぇな…」
二人はしばらく、言葉にできずに、空を見つめていた。