「また亮は朝帰りか。」
お父さんは眉間にシワを寄せて言った。
「アイツは遊びすぎ。オレだってもっと自重してたぞ。」
「やることやってるからとか亮クン言ってた。」
アタシがそう言うとお父さんはため息をついた。
「確かに亮は授業にもちゃんと出席して成績もとって部活もしっかりして…。亮はほんとに上手く時間を使うな。」
「アイツたぶん兄妹で一番世渡り上手だよ。」
恭クンは深くうなずいた。
アタシは朝食を食べたあと歯を磨き、準備をして家を出た。
「おは。」
バス停の長椅子に座る秀の肩をポンと叩いた。
「びっくりしたー。風邪??」
「う゛ん゛」
秀の隣に座りながら言った。
「もぉ、今日スッピンだし顔ヒドイから見ないで。」
「椿サンいつもそんな言ってるケド全然変わらないじゃん。大丈夫??」
「大丈夫じゃなーい。早退するかも。帰り病院行くから一緒帰ろう??」
「はぁ??マジで??」
「いやなら良いけど。」
「じゃなくて大丈夫じゃないならなんで学校きたの。」
そんなこと訊かないでよ。
「秀が一人で学校行くの寂しいかなと思って。」
バスが来た。
「わぁー椿チャン優しい♪」
アタシたち二人は立ってバスに乗った。