「―――――イオ――。」
「ん―――?」そう言って立ち上がった彼女の名前は
イオ・カリスト。
二ヶ月ほど前に、人間とは違う少年「カロン」と出会い、行動を共にしている。
「どうしたのぉ?これ」
イオがしゃがみこみ、カロンに話し掛ける姿は、赤ん坊と話す親のようだ。
「・・・とれた・・・」
「・・・とれた・・って・・・だってこれ魚じゃない。」
「素手で・・・」
ハント種族のカロンは普通の人間とは、並外れている。
食べる量だって、イオの予想を
軽く越えイオの十倍近くは食べていることだろう。
「まぁ、いいや。」
呆れた顔のイオはカロンの凄まじさを表していた。
「それより、ねぇ、昨日から顔色悪いけど大丈夫??」
「ん―――。」
首を縦に振っている様子はまさしく子供。聞けば17歳と言っているのだが、本当かどうかも定かじゃない。
「ホントに?・・・まぁ、明日は早く出かけるから仕度しといてね?―――」
「・・・ん―――。」
また、首を縦に振っている。本当に大丈夫なんだろうか、不安な気持ちのままイオは眠りについた。