「あの時出会わなければ」とか「あの時あの場所にさえ行かなければ」とか時々聞いたりするけれど、もしそれが運命ならばきっと逃げられないんだと思うわ。
私たちのこれからの出来事もきっとそうなんだと思う...
待ち合わせ場所に近づくほど私は考えていたの。同じA女子高っていうだけであの人の事を知っている人が来るとは、決まっていないのになんだか感じていたの。距離がドンドン近づいていることを。
胸が熱くなって、苦しくって。可笑しいよね。ローレライの前に彼女がきっといると間違いなく感じてきている。
そして集合場所に、何人か知った顔の女の子のグループのその横の少しそれより小さな輪の中に、彼女を見つけたとき私は軽い眩暈を感じたわ。
「エピソード秘密」
「ありがとう!あすか!来てくれて!初めてなんじゃない一緒に合コンに参加するの?嬉しいよ!」
「ごめんね今まで何度も誘ってくれてたのに。ほんと合コンデビューなので今日はよろしく」
「オッケー任せといてよ!」
「でね。奥から二番目の彼女何て言う名前?知ってる?」
「うん。あの子ミスA女だよ。テニス無茶苦茶強いんだって!名前は...“近江はるか”だったと思う。」
「ありがとう。舞美」
はるか...
はるか...
高校生の合コン場所には定番のカラオケ
「ねえ!俺省吾君は?」
「あの、あの私..あすか」
「君可愛いよね!二人で抜け出さない?」
「あの、あの、」
「ねえ、省吾?あんたの毒牙にかけさせるには、あまりにベビーちゃんよ。他あたんなさい」
「君ならいいの?」
「ばーか」
「チェッ!はいはい“はるか様”」
私はきっと彼女の顔を穴が開くほど見てたと思う。
「何でこんな所来たの?そんな感じに見えなかったのに。」
「私楠田あすか。ありがとう。友達にどうしてもって言われて...でも来て良かった。又会えたし!覚えててくれたんだ」
「知ってたよ。ずーっと前から。」
「どうして?」
「さあ。どうしてでしょう?秘密。」
つづく