第六章 光と影
その子がくれた手紙は可愛い女の子らしい字で自分の想いと最後にアドレスが書いてあった。
名前は希菜と言うらしい
彼女の気持ちが素直に嬉しかった。
大して格好言い訳でも、
頭が言い訳でもない、
俺をこんなに真剣に考えてくれたのは、希菜が初めてだった
でも、俺はあの人の事が忘れられないでいる、そんな状態で上手く筈がない。
そんな事は分かっていた…なのに気持ちとは裏腹にパソコンに向かいメールを打つ。
メールは5分もしない内に返って来た。
希菜とのメールは楽しかった。
メールをしているだけでも彼女の気持ちが伝わってくる。
でもどこかでやっぱりあの人を想っている俺がいる。
どうしたら…
俺の葛藤はさらに深くなる…
希菜とあの人
一方は相手が慕ってくれる…
もう一方は俺の勝手な一目惚れ
これはそんなに難しい選択なんだろうか?
だってあの人は俺の事を別に何とも想っていない…
それにあの人には好きな人がいる…俺が入り込む隙間は無いんじゃないか?
…俺は告白するような勇気もない
なら俺が選ぶべき選択は簡単な筈だ…なのに…
分からない…
…時だけが過ぎる…
希菜とは2人で遊びに行ったりするようにもなった。
一方あの人とは塾で会えば話はする、…俺の引いた境界線の中で…
そしてある日希菜に呼び出された…