ある朝ー。
母とあたしは、こんな会話をしてたっけー。
『お母さん。あたし、新聞配達でもやろうかな。』
『奈央。何言ってるの?!何か必要な物があるなら母さんに言ってごらん。』
『違う。そうじゃないの。あたし、中学卒業したら、高校へ行かないで働こうって思ってるの。だから、今から社会勉強にもなるし、
お金ももらえて一石二鳥じゃん。』
『バカ!!何言ってるの!!あんたは高校行きなさい!!
それに、今から働かなくても、いずれはちゃんと働かなければならないんだから。今からそんな心配しなくていいの。』
何時の頃からかー。
あたしと母の考えは擦れ違ってたー。
あたしは少しでも母の手助けになれればいいなって‥。
素直な気持ちでそう言ったんだけどー。
母はあたしに経済的な事で心配させたくないと思って、そう言ったんだろうなー。
今なら分かる母の気持ちも、
その時は分からなかったんだー。
分かっているつもりでいたけど‥。
全然分かって無かったんだね‥。
あたしー。