モテたい願望 カルテ3

1003  2008-01-15投稿
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そのクラス会のあった翌日から、キレイになる為に、美しくなる為に色んな事を試した。

ダイエットをする為に、食事をぬいたり、何が混入されているかよくわからないサプリメントを飲んだり、毎朝ジョギングをしたり、水泳やヨガにも手を出した。
エステにも通った。意外そうにしている周囲の目も我慢しながら。
化粧にも興味を持った。慣れない手付きで何度も何度も練習した。
ファッションも機能性よりも見た目を前提に考えた。



結果はまるで駄目だった。
必死さが空回りばかりしている事が私を苦しめた。


それでも、山口直哉の事を諦める気には到底なれない自分がそこにはいた。


そして、自分が思い付く全ての事をやりつくした私には、第三者の助言が欲しかった。
何がいけないのか。
何をすれば、この願いは叶うのだろうか。





そして私は今、この怪しすぎる広告を目の前に一人押し問答していた。





「このビル…よね。」
結局私は話だけでも聞いてもらおうと、藁をも掴む思いで『亜久里事務所』に行く事に決めた。
書いてあった住所の場所には、灰色のコンクリートの3階建てのビルが周りの高層ビルの間にポツンと建っていた。

ビルの壁にはヒビがやけに多い。
看板も、貼り紙も無い。
確かに不安を感じていた。
でも、必死さの方が勝ってしまっていた。


「地下1階ね…。」
もう一度広告を確認してから、私は足を一歩、もう一歩と進んだ。




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