最終授業終了の鐘が鳴った
いつもなら鐘がなっても席をすぐに立つことはないのに、鐘が鳴った途端、私はすぐに席を立ち、和が待っているであろう茶店へとダッシュした
息をきらし、張り切って来たと和に思われるのがイヤだったので、私は出会った公園で一息つき、息がおちついたところで和が待つ茶店へ向かった
もう待っているものと思い、茶店に入った
茶店を見回すと和らしき人が見あたらない
ちょっとはやかったかな
『はるっ』
振り向くと、和が笑顔で席についていた
はじめて名前を呼んでくれた瞬間だった
私は嬉しすぎて周囲の目を気にせず笑顔で手を振った
抹茶ラテを注文し、和の前にすわった
『はやかったね〜はるに早く会えて嬉しいよ』
名前を呼んでもらうどころか早く会えて嬉しいなんて言葉までくれた
「いつから待ってたんですか?」
という私の堅い質問に
『敬語はやめよう。もう初対面じゃないじゃん』
和の一言で一気に私の緊張はほぐれた
『今日学校はどうだった?ちゃんと授業うけた?』
「うん。和さんは今日何してたの?」
不思議と敬語がなくなった
『俺は仕事の打ち合わせを繰り返したよ。今回の企画がでっかい企画なんだ』