弟が言った意味がよく理解できないまま次の日を迎えました。
やはり家族は全員《変化》しています。
上手くは言えないのですが何か形容しがたい《変化》があるのです。
学校に向かう途中今度は町の人に《変化》があったのです。
私は話したこともない人達でしたがやはり《変化》していたのです。
コンビニの店員、通勤する会社員、通学する小中学生
皆が《変化》していたのです。
学校に行くとまた《変化》があったのです。
今度は確実な《変化》だったのです。
誰も喋っていなかったのです。
喋っていないというより誰も声すら出していなかったのです。
行動はいつもと同じなのにそこから声だけが取り除かれたように誰も声を出していなかったのです。
昨日の弟の言っていた《変化》が酷くなるというのがやっと理解できました。
私は恐る恐る友達に話し掛けてみました。
「何でみんな何も喋ってないの?」
そうするとクラスにいた生徒が一斉に私の方を向いて言ったのです。
「《変化》が何なのか早く気付いて有子……」
「っ!………」
理解が追いつかなくなったことと驚きのあまり私はその場で気を失ってしまいました。