俺たちは中学校へ着き、校舎へ向かった。
「中学校はあんまりいい思い出ないんだよね…。」
「俺は一番面白かったけど…。なんかあったんか?」
「友達関係上手くいかなくて。」
「ケンカか?」
「ケンカじゃないんだよね。私、その時は男子も女子も同じように仲良くしてたの。私の仲の良いこの好きな、違うクラスの男子と私が親しげに話してたら誤解されちゃって。それから友達関係まずくなっちゃった。」
「ずっとダメだったんかい?」
「うん。卒業までずっと…。」
「そうか…。」
「お前、好きなやついなかったんか?」
「ううん、いたよ。でも、その時は好きな人はいないって、その子にも言ってたから。」
「素直に『好きな人はいる』って言えばよかったじゃん。」
「なんか恥ずかしいじゃない。中学生ってそんなもんでしょ。」
(確かにな。俺もそうだった気がする。)
「あっ、そうそう!文化祭の時にねぇ…。」
急に亜妃は元気になり、楽しげに話し始めた。
良いことも、悪いこともすべてを交えて過去のことは思い出だし、それらを踏まえて今があるんだよな。