待ち合わせの場所に着いた
いつもより数倍、いや、数十倍お洒落に力をいれていた私
回転ドアをホテルマンがあけてくれた
中に入ると、和がロビーに座っていた
有名ホテルに似合う姿で待っていた
足早に和に駆け寄った
「お待たせっ」
和が振り向いた
私を見るなり
『制服とぜんぜん違うからびっくりしたよ。変わるもんだねー。かわいいよ』
嘘でも嬉しかった
時間かけた甲斐があった
がんばったもんっ
『じゃあ行こうか』
和が歩きだした
いかにも高そうなイタリアンのお店が確かにある
まさかと思ったがそのまさかだった
そのお店に入った
私はお財布の中身が気になった
足りるかな
と不安になったが、和は働いているし、年上だし、いざとなったら払ってもらえばいっか、とひらきなおった
お店に入ると、大人のカップルばかりが楽しそうに食事を楽しんでいた
私は自分がものすごく子供なんだと実感した
急に帰りたくなった
『どうかした?』
「ううん、何もない」
みんなが私をあざ笑っているようにみえた
こんなに容姿端麗な男性と私のような小娘がどうして・・と思われているに違いない
でも今日だけ、今日くらいと自分に言い聞かせて席についた