…8月29日…。今日は私の誕生日。そして、良太の…
…私が中学生ぐらいの話です。幼なじみの良太の家によく学校帰りに遊びに行っていた。私は良太の親ともすごく仲が良く、一緒に買い物とかも行ったりしてた。…良太が友達と遊ぶ時も学校行く時も、塾行く時も、何するにも一緒だった…。
…一緒にいてお互い当たり前になっていた…
…時が立ち、二人とも高校3年生になっていた。二人で友達の家に遊びに行ったある日…「お前ら付き合って何年?」と、友達に聞かれ…良太がすかさず「わかんねぇ…小さい頃からずっと一緒だから…まぁ、メッチャ長いよ」と答えた…。
「付き合って」とかそんな話したことないし、…手は繋いでたけど…幼なじみの延長みたいに思ってたし…(恥)
面食らったけど…(私達付き合ってたんだぁ…)と心の中で思うと…嬉し恥ずかしさが込み上げてきた。
…当たり前だった人が、いつの間にか私の中で大きな存在、…大事な人になっていた…
…二十歳の私の誕生日に近くの公園で待ち合わせをした。良太が来たので二人で歩きだそうとした時、良太が振り向き…「…キス。」…(驚)「誕生日おめでとう…それから俺、お前と結婚しようと思ってるから」と私の薬指に指輪をはめた……。
……!!!!!!!!!!……
…びっくりして、なかなか言葉が出てこなかったがようやく
…「…はい。」(涙)(嬉)(照)
…私達は歩きだした…。良太の車に向かっていると…!!!!
子供が道路に飛び出したのが目に入った。
…次に私の目に飛び込んだのは、子供をかばって車に跳ねられる良太の姿だった…。一瞬だった…。
…気付くと私は病院のベットにいた…ショックで2・3日記憶がなかった……徐々に思い出し、なぜ私の薬指に指輪がはめられているのかも思い出した。
…子供好きで、心の大きい、暖かい人だった…私は…一生分の恋愛をしてた事にいまさら気付いた。
良太が死んでから8年たった今でも、自分の誕生日を祝う事ができない…自分の誕生日を祝うために待ち合わせをして、永遠に良太を失ったのだから…毎年、毎年、誕生日には胸が痛くなる…二度と、こんな大恋愛をすることはないだろう…。