翔吾が山口に帰る日がやってきた。
卒検に落ちれば後数日一緒にいられる──
けど落ち込む翔吾はみたくない。
受かって。
帰らないで──
紗里の中で矛盾な気持ちが交差していた。
「っしゃぁ!受かったぁ〜。」翔吾の喜ぶ声が聞こえた。
合格したんだ。
車校の人みんなが翔吾との別れをおしんでた。
翔吾はかっこいいしなんでもできるしみんなと仲良かった。
バス停──
山口まで福岡で乗り継いでバスで帰ると言う翔吾をバス停までみんなで送りにきていた。
「翔吾ォ〜連絡しろよ!」
「まぢさみしいでぇ↓↓着いたら連絡しぃや。てかいつかみんなで集まってまた遊ぼうや。」
「おう!みんな元気でな☆」翔吾は明るく答えた。
「ちょッ紗里ぃ〜!!そのキスマ‐クどォした!?」きのうの翔吾につけてもらったキスマ‐クを今日花に気付かれてしまった。
「…なんでもないよォ〜。」
たすけてぇ〜というかんじで翔吾をみるとニヤッと笑っていた。
翔吾…
いかないで
そばにいて……
翔吾の顔が涙でにじんで見えなくなってきた。
プシュ──
バスがきた。
「ぢゃな!」
それだけ行って翔吾はバスに乗った。
いかないで
いかないで
いかないで…!!
みんなに涙に気付かれないように紗里は必死で下を向いていた。
バスが発車した。
「──!!紗里…!?」
溢れ出す涙はとまらなくて
紗里はその場に泣きくずれた──…