私は、いつもと
同じバス停に降りた。
でもなぜかいつもと
違った。
それはきっと
左に人の気配を
感じたからだろう。
始めてみる顔に
見入ってしまった。
目が合ってることにも
気づかずに…
いつもここに降り、
そしてここから
バスに乗る。
いわゆる、
直行便がないのだ。
いつも何十分も
こんな寒い中で
バスを待つのは
嫌になる。
特にひとりぼっちの時は…
でも今日は
嫌にはならなかった。
初めて見る
あなたがいるから。
目がまだあなたに
いっていることに
気がついたのは、
あなたが何気なくした
咳で我に返った。
ちょっと気まずく
なった気がした。
それでも目はあなたへ
向くんだよね。
「あれ!?」
私はある事に
気がついた。
それは、名前。
あなたの名前は
“ようへい”
なんだね。
丸く切り取られた
フェルトに
違う色の
フェルトで
書いてある名前。
ローマ字で
書かれた名前は
とてもかっこよく見えた。
「彼女」
私の胸をよぎって
しまったこの言葉。
「それって彼女が作ったのではないのか!?」
っと考えてしまった。