海斗は呆然としながら動き回る星を目で必死に追い掛けた。
何度目をこすってみても、光はしっかりと海斗の目に写し出されている。
「もしかして…。UFO?」
光は夜空の中を行ったり来たりしながら、少しづつこっちに近付いて来ているようだった。
星くらいの小さな光だったのが、いつのまにか海斗の人指し指の爪くらいになっていたのだ。
だんだんと光を放つ物体の形が目に見えてわかるようになってきた。
丸い、球体の真ん中あたりから放射線のようにいくつもの光が放たれている。
それがもの凄く綺麗で海斗は息を飲んだ。
これはもしかしたらスクープになるかもしれない。
呆然としていた頭に一気に電流が流れたような気がした。
心臓がドクンッドクンッと音を立て始めたのを感じる。
急いでカメラを取りに行こうと屋根の上を走ろうとした時だった。
一瞬にして辺りが眩しい程の光に包まれたのだ。
眩しすぎて目が開けられない。 青白い光、何だか少し暖かい。
何が起きたのだろう?
『聞こえる?』
光の中から声がする。 『君に協力して欲しい』
優しい声だ。
海斗の頭の中に響いてくる声はゆっくりと話かけてきていた。