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etc.  2008-01-19投稿
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 「お嬢さん、顔色がよろしいようで」

 そこにいたのは紛れも無い外国人、マークである。

 今一度言うが彼は舌を巻くような英語を話しているのであって、日本語などという言語は話せない。

 これも耳に付けているヘンテコ機械のお陰である。

 「あなた一度眼科へ行ったほうがいいんじゃない? きっと色盲ね」

 「お気遣いありがとう」

 ジョークのつもりなのだろうが光には皮肉にしか聞こえなかった。

 「何の用? 私いまサンドイッチが食べたくて仕方がないんだけど」

 「外国に行くに当たってパスポートを”発行”して来た。 どうぞ」

 といって渡されたのは赤い日本のパスポート。

 「発行? 出来る訳無いじゃない。 私は今まで車の中にいたし、証明がないとすぐには作れないはずでしょ?」

 「ええ、その通りですよ。 普通に発行すればね。あなた映画を見ないんですか?」

 そう言い残しマークは去って行った。

 「映画………?」

 つまりは偽造である。

 「ち、ちょっと!!」



 言いたい事は山ほどあったが、光はふて腐れながらサンドイッチを食べ終えた。

 キャリーバックにもたれながら男子トイレの前に待たされていた光とJは周りからみればまるで無関係。

 「いやぁすまねぇ、相変わらず日本のトイレは清潔だな」

 満足そうな望を尻目にイライラを隠し切れない光。

 「さ、早くいきましょ」

 「まぁ、そう焦るなよ。 楽しい楽しい旅の始まりだぜ?」

 いい加減キレそうな光の肩にマークの大きな手が乗っかった。

 「必要なんだよ、こういう態度が。 わかっていると思うがここは既にターミナルの中だ。 つまりは絶対的な監視下にある。 俺達は飽くまでも観光客なんだよ」

 心の中で納得してしまった自分が光は憎かった。

 「そういうことだ。 あっち着いたら何したい?」

 無論、この態度も憎かった。

 仕切に時刻板が変わるのが何かと気になる。

 「ところで私達はどの便に乗るの?」

 光以外の一同が目を合わせ、口元を吊り上げた。

 「お嬢様、ご安心下さい。 特別にこちらをご用意させて頂きました。 空のオアシスへようこそ」

 望がお辞儀をした。

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