3月8日
「別れ」
さよならってこんなに重いんだ
笑顔でバイバイ
溢れそうな思いを必死に抑えた
君の泣く顔を見れないまま
繋いだままの手を離す
笑顔でバイバイ
心の中はどしゃぶり
尊いものをなくした
3月9日
すぐそこにあったはずの声
もう聞こえないんだな
実感とともに寂しさが一気に心を染めた
優しい笑顔
つらいときも
悲しいときも
いつも支えてくれてた
温かい手
ずっと背中を押してくれてた
何かに躓いたときも
そっと俺を包んでくれた
くだらないことで笑いあった日も
今じゃ愛しくて
君と居た時間が
想い出に変わる
そんな日がくるかな
君の為
自分の為
「俺は遠くに行くよ。この街から離れる」
遠距離になること
それが恐いから
二人の気持ちも
距離と一緒に離れていってしまう気がしたから
自信がなかったから
つらいだけだと思ったから
逃げたんだ
悲しいだけ
切ないだけ
お互いのこれからを考えてだした答えなんだ
きっと君も分かってる
無理やり自分を納得させた
3月10日
一通の着信履歴
君からだった
突然何かを思い立ったように気付いたらかけ直していた
「もしもし」
たった一日しか聞いていなかったその声が
懐かしく感じた
言葉がでてこない
「あ・・あのさ」
何を伝えたいのか
整理できなかった
もう別れたんだ
いまさら何を・・
君はそう思ってるかもな
心が負けそうになった
そのとき
君は言ったんだ
「声聞きたかったよ・・」
泣いてる
二日前と同じ
何も変わってない
分かった気でいた
君を
君の為
違うよな
君は俺の声を求めてる
いつだって
そして俺も・・
好きだからあたりまえなんだ
電話の向こうで泣きじゃくる君の声が聞こえる
俺は涙がとまらなかった
「ごめんな・・」
君がつらかったのは
別れたことじゃなく
俺がそこにいなかったこと
なによりも大切なものを見失いかけた
たった一日の別れが教えてくれた
君の大きさを
3月11日
温かい手が
優しく背中を押した
自然と笑えた
遠距離はつらい
会えないから
でももっとつらいのは
心の中に
君がいなくなること
君の声が聞けなくなること
ちょっと離れちゃうけど
俺は君の一番近い場所にいるから
声があるから
繋がってるよ
ずっとずっと