陸の上の魚4

如月 音  2008-01-19投稿
閲覧数[344] 良い投票[0] 悪い投票[0]

神崎の屋敷は思ったよりこじんまりしていた。と言っても普通の家とは比べものにはならない。引き取られた日、私は神崎の屋敷に連れてこられた。神崎は私に一通り屋敷の中を案内してまわったあと、『あなたの部屋です。』と言って30畳ほどの大きな部屋だった。

「ここ、ですか?」

「何か問題でも?」

「い、いえ。ただ・・・」

広すぎるなんて言えなかった。この男の機嫌をそこないたくなかった。

「ただ?」

「いえ、なんでもないです。」
神崎はただ私を見つめていた。私はいたたまれなくなって

「すみません。」

小さくつぶやいた。すると神崎は、

「あなたは、思っていることを口にだす癖をつけた方がいい。でないと、ストレスでおかしくなる。私は精神病の娘は欲しくは無いですから。」

にこりと微笑みながらスラスラと言う。それを聞きながらこれからの生活に不安を覚えた。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 如月 音 」さんの小説

もっと見る

ノンジャンルの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ