夢のような出来事から一夜明け、龍一は目覚めた。
「ふぁ〜。」
起き上がり、あくびをしながら寝癖頭をボリボリかいた。窓の外を見る、今日もいい天気だ・・。
「夢だったのかな・・あれ?」
止まった時間、化け物、それと戦う女、そしてバスター・・。昨日の事が思い出される。
「夢にしてはリアルだったよなぁ・・。」
そう呟きながら顔を洗うため、洗面所に向かう。そして龍一はあれが夢ではないことを痛感した。
「カサブタ・・・。」
昨日、止まった時の中で転んだ時にできた傷のカサブタが鏡に映っていた。
(やっぱ夢じゃねぇんだ)顔をゴシゴシ洗い、眠気を覚ます。
そしてリビング行くと母の一(はじめ)が朝食の準備をしていた。
「あら、おはよう。今日は早いのね。」
目玉焼きを作りながら、母は言った。
「昨日は早く寝たから。」龍一の答えに母が思い出したように聞く。
「そうそう。昨日は何だったの?帰って来るなり、ごはんも食べずに寝ちゃって。」
「まぁ・・・色々あって疲れてたから。」
龍一はあやふやに答えた。「色々って?」
母は朝食をテーブルに置きながら聞いた。
「話す程の事じゃないよ。」
(信じる訳ねぇよなぁ、あんなこと)そう思いながら朝食を食べる。
(そういや連絡するとか言ってたな・・・)
龍一は咲坂の顔を思い浮かべた。