アーモンドの帽子 03

ノン子  2008-01-20投稿
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「グリット」

名前を呼ぶとグリット静かにこっちを向き、
にっこりと笑った。

「なに?」
「大丈夫だよ」

緊張したような彼の声に、
アーモンドは優しく返した。
グリットは死をすごく恐がる。

「ごめんね。僕、怖がりだから」
「そんなこと無い。グリットは強いじゃないか」
「ううん…今回は、間違わないから…」

グリットは誓うようにアーモンドに言った。


アーモンドやグリットなどの8人少年達で作られた軍を“メーカー”と呼ぶ。
メーカーはただ闘うために作られた軍団である。
この村に危害をくわえる妖怪や災害を対処するのが彼らの役目だ。
たまに人助けもする。


グリットは昔、妖怪に殺されかけた。
それはグリットのせいではなく、妖怪が強すぎただけなのだが
彼はそれ以来自分を攻め続けている。

「メーカー」

村長が彼らを呼んだ。
メーカーが素早く村長の周りに集まった。

「今回のことは、お前達に任せきる事はできん。危険すぎる」

村長はゆっくり話しながら彼らの顔を見る。
仲間のリンツが口を開いた。

「じゃあ誰が相手するんだい?」
「それはまだ分からんのじゃよ」

村長が困り果てたように言うとアーモンドが割って入った。

「俺達だけでいい」

空気が痛いほど張り詰めた。

「…………」

しばらくして村長が重い口を開いた。

「何故じゃ」

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