人生にはターニングポイントというものがある。
アタシの22年間という短い人生の中にもターニングポイントはあったと思う。
アタシの中での一番のターニングポイントやらは
ズバリ上京したとき。
18歳の時だと思う。
東京といえば、夢を持った若者たちが沢山集まっていて、お洒落な人や素敵なお店にキラキラの夜景。
ギャルがいて、セレブがいて芸能人がウロウロしていて…
それが田舎から出てきた小娘の想像。
無論、アタシの東京のイメージもそんな良いとこどりの全てが手に入るような…
そんな場所。
テレビに出てくるような、都会の東京しか知らなかった。
『緊張してるの??大丈夫だよ。今日は2絡みで二時間くらいで終わるから。』
「…はい。そうですか」
『じゃあ撮影始めるよ。もう使いもんになる男いないかぁ〜、じゃあ〜お前やれ。』
偉い人そうなおじさんが、指さしたのは、メガネをかけたムサイ男。
30代半ばくらい?キモい。
まじムリ。
『マジすか〜。わかりましたぁ。』
メガネ男は服を脱ぎだす。
『俺先にシャワー浴びちゃうよ。』
「はい。」
アタシは頷くしかできなかった。
どうして?どうしてこんな所にいるんだろ?
何でこんな男とやらなきゃいけないの。
でも仕方ない。自分で決めた事だから。
『今回はデリヘルの隠し撮りっていう設定だから、演技とかしなくて良いから平気だよ。』
偉い人そうなおじさんがアタシに話してる。
「そうですか。なら良かった。」
『じゃあ始めるよ〜』
…はぁ…はぁ
臭い。キモい。
『気持ちイイ?』
メガネ男は生臭い息をアタシに吹きかける。
「…はい。」
その煙草臭い舌に舐めまわされながらアタシは答えた。
気持ちイイわけないじゃん。
嫌だ嫌だ嫌だ。
お母さんごめんなさい。
心の中では泣き叫んでいた。
『フェラしてもらえる?』
マジ無理だ。
でも仕事だ。
アタシはその汚い男のモノを口にくわえる…
初めてのAVの仕事。
顔バレなし。
性病の心配なし。
安心。
なにが安心だ。
その日は埼玉の外れにある汚い倉庫みたいな撮影所で二人のキモい男とやって、一人の知らないおやじのチンコをくわえた。
二時間くらいで終わった。
三万。その日にもらえた。