「 ジンクス?」
蓮は、眉間にシワを寄せた。
「 そ、 ジンクスなんだよね。 蒼君。」
「 おはよーございます。 時田さん。」
ペコっと挨拶する蒼。
「 集中ね。 大丈夫? 」
「はい! それじゃ、ありがとうございました! 」
蒼はしわくちゃな笑顔を見せると 急いで走り去って行った。
「 あの… 時田さん、 あの人と お知り合いなんですか?」
「 うん、 ちょっとね。」
「へぇ…」
不思議そうな目で時田を見る蓮。
「あ… 蓮ちゃん?気になった? 彼のこと〜 」
「 あ! やだ! 違いますよ〜! やだなぁ 時田さんは〜」
「なぁ〜んだ。ま、今日は辞めとこ〜」
苦笑する蓮。
「ねぇ… 蓮ちゃん。 私ね… 実を言うと… ライセンス 持ってるのよ。」
一瞬、 蓮は何を言われたのかわからなかった。
「 え!? ライセンスって… 」
時田は、首をすくめてクスっと笑った。
「 本当なんですか!? それって… 凄いじゃないですか!!」
「びっくりさせてゴメンね。」
「いや、驚きましたよ〜 時田さん ホント 凄いですよ〜」
「隠すつもりはなかったんだけど… 蒼君が来ちゃったし…」
「時田さん、 じゃ カーレーサー だったんですよね!?」
「ここに来る前にね…」
「ここの前、ですか…?」
「そう。 5年前かな… 」