次の日の夕方も、
あたしはその公園に居たー。
そして、また一人で絵を描いていたー。
昨日、北岡と過ごした少しの時間が、
今日になってみると、なんだか夢の中の出来事の様でー。
あたしはスケッチブックを開いて確認したんだー。
“きのした なおのかお”
北岡が描いてくれたあたしの似顔絵ー。
思わずその絵を胸の中にぎゅっと抱き締めていたー。
そして思い出していたー。
昨日、北岡が見せた悲しそうな横顔をー。
その映像が、あたしの目にすっかり焼き付いてしまった様で、
その理由が何故か知りたくなってしまったー。
また北岡に会いたいー。
そんな事を考えながら、あたしはパステルを滑らせたー。
スケッチブックの上に描かれた、あたしの世界ー。
昨日、初めて他人に見せた、あたしだけの世界ー。
その時だったー。
『木下ぁ〜。』
そこには、昨日と同じ笑顔があったー。
昨日、初めてあたしが見た北岡の笑顔ー。
恐らく、クラスメイトでさえも知らない純真無垢な少年の笑顔ー。
それはあたしだけが知っている‥
キタオカマサトノエガオー。