私は冷たいベンチに腰かけたまま 子どものように泣きじゃくりながら団子を食べていた。
涙だか鼻水だかわからないしょっぱい味がして、笑えた。そしてまた泣いた。
雪がますます強く降りだした。
次の電車に乗る人たちが階段を降りてくる。いいとしをして、泣きながら団子を食べる女子大生を、彼らはどうみるのだろう。
団子を三本食べおえて、やっと涙がとまった。コートのポケットから携帯電話をとりだした。
鼻をすすって深呼吸。
「・・・もしもしお姉ちゃん?」
電話の向こうに、あたたかい姉の体温を感じた。
雪が街を白く変えていく。初めてみる東京の雪が肩に落ちてゆっくりととけていった。
初雪の駅 完