俺達はファミレスに行くことにした。
しかし彼女は全然喋らない。
「元気ないけど、どうかした?」
彼女はとても小さな声で答えた。
「…私、男の人とあんまり喋ったことなくて、…緊張しちゃって。何話せばいいのかもわからなくて…、ごめんなさい…」
それを聞いた時、俺はすごく親近感を覚えた。俺も女と喋るのはハッキリ言って苦手だ。でも彼女とはすごく気が合いそうな予感がする。
彼女のことをもっと知りたい。
俺は少し緊張しながら聞いてみた。
「大丈夫だって!俺だって同じようなもんだから。ところでさ、俺まだ名前も聞いてなかったんだよね。俺は松田優って言うんだけど、よかったら名前教えてくれる?」
俺の言葉で心が和らいだのか、彼女の顔が少し微笑んだ。
その顔は優しさに満ち溢れていた。
「私、加藤真紀って言います」
彼女はさっきより少し大きな声で答えてくれた。
「じゃあ、真紀って呼んでもいい?俺のことも下の名前で呼んでいいからさ!」
「はい。…じゃあ、私も優くんでいいですか?」
俺は首を縦に振った。
「それと、別に敬語なんて使わなくていいからさ、普通に友達みたいに話してよ!」
真紀はさらに微笑んだ。嬉しそうだった。
その笑顔を見ると、俺も嬉しくなった。