『はるは?彼いないの?』
「うん、今はいない」
見栄を張りたかったから今は・・なんて言葉を付け加えたが、本当は彼氏自体、随分ご無沙汰していた
わたしは和の好きな人がどうしても気になる
知らぬが仏ということわざがあるが知りたくないけど知りたい
思い切って聞いてみた
『好きな人とはデートしないの?』
すると、和は
「してるよ」
と笑顔で答えた
私は急に自分がむなしく思えた
何を一人で盛り上がっていたのだろう
何をこんなにもうきうきしていたのだろう
食事をする手が止まってしまった
「つき合ったりしないの?」
知りたくないはずなのに気になってまた聞いてしまった
『うん
まだ出会って日が浅いから』
「同じ美容師の人?」
『ううん、まだ学生』
ちょっと驚いた
大人の女性が好きなタイプだと勝手に思っていた
学生となると大学生か専門学生だろう
『うまくいくといいね』
思ってもないことを口走ってしまった
もう食べるしかないと思い、パスタをてんこ盛りについで食べだした
今度はかずが質問してきた
『はるはどんな男が好き?』
「特にないけど優しい人かな」
ありきたりの回答をした
私は和の好きな人がどんな人かどんどん知りたくなってきた