私は、今、あり得ない現実と対面している。
「なんだこの学校は〜!!!!」
…時はさかのぼること3日ほど前…
私はある学校へ転任を言い渡された。
その学校名は[都立馬鹿高等学校(とりつうましかこうとうがっこう)]
通称バカ学校と言われている。
(うわぁ〜。なんてベタな名前なんだ…)
当然の反応だと思う。
…でも、転任の3日前にそれをいきなり知らせるのはこの学校も結構問題ありだと思う。
取りあえずいきなりの理由を聞いてみた。
すると。
「いやぁ〜。なんか向こうの教師が何人か辞めたらしくてね〜。それで至急人手がいるんだってさ。」
…確かに理由にはなっている。…だが、
「なんで私なんですか?」
すると…
「いやぁ〜。それを聞いた時に君の名前がふいに頭をよぎったんでね。まあ君なら大丈夫だろう。」
(……こいつ殺す。)
そう思いながらこの場を後にした。
そして現在に至る。
で、現在の状況と言えば。
「せんせ〜。」
ここまでは普通…
だが、この後の質問があり得ない。
「1+1ってなんだっけ。」
(…こいつやばい。)
マジでやばい。
まあ、こんなのは序の口…
ほかにも、
「織田信長って誰ですか?」
「漢字で数字の[いち]ってどう書きましたっけ?」
まあこいつら授業を担当して思ったこと。
(バカだ…ほんまもんのバカだ……よくこんな奴等が高校行けたな…)
正直こう思うしかないと思う。
何人か辞めた理由がわかる気がする。
私でさえこの1日だけで辞めたくなってきた。
すると、
「せんせ〜。」
聞き慣れた声だ。
私の担当のクラスの生徒だ。
(また恐怖の質問責めにあうのか?)
すると、
「せんせ〜ってかっこいいですよね。」
……意外だった。
そして私の口からも意外な言葉が…。
「かっこいいなんて言葉知ってるんだ。」
生徒は少しむくれながら答えた。
「そんな事ぐらいしってます〜。まあでも最近覚えたばっかりなんですけどね。」
うわぁ〜でたよ…バカモード…でもそれ以外は普通なんだよな。
1日が終わった。恐怖の1日が…
でもそこまで恐怖でも無かったみたいだ。
これからも大変だろうけど責任もあるしなんとかのりそうだ。