数日間村で香雲の休養を取ったのちに、三人は次の月の葉書を探しに旅に出た
香雲)そういえば、私も二年余り旅してきた中で一番驚いた事が“緑”を一度も見た事が無い事なんだけど、風紀はどう思った?
香雲は、唐突に風紀に話かけた。確かに、この世界には、“緑”というものがない。世界の大半が砂漠でその中にポッンと町や村・集落があるが、町の中にも“緑”は無い
風紀)あ〜それは、俺も思ったよ。俺らの里が変なのか?
二人が、会話しているとナラビが
ナラビ)ねぇ、風紀兄ちゃん・香雲姉ちゃん、“緑”って何?
ナラビが二人に聞くと
香雲)香雲姉ちゃんって、言い辛いでしょ?普通に“お姉ちゃん”でいいよ
香雲は、ナラビの頭を撫でながら言った
ナラビ)じゃっ………じゃあおっお姉ちゃん
ナラビは、恥ずかしながら言うと
香雲)キャーっ可愛いナラビ君
そう言って香雲はまたナラビに抱き付いた
ナラビ)(いっ息が………
またナラビがバタバタともがいていた
風紀)まぁ、話が脱線したが“緑”って言うのは青々と生い茂っている植物の総称だな。地面の上に生えている植物だ、ナラビ。まぁ、俺らが勝手にそう呼んでいるだけだがな
風紀が説明すると…………
ナラビ)地面の上に生えている植物なんてある訳ないじゃん
ナラビは、カラ?と笑い出した。無理もない。この世界で植物と言えば、地面の下に人工的に作るしかなく、露出している植物を普通の人は、見れないのだから……
風紀)まぁ、いつか俺らの里にくれば分かるはずさ。大昔は、世界中に“緑”があったみたいだがな
風紀は笑いながら言った
そんな感じで会話している時であった。不意にナラビが………
ピクッ!!
ナラビは、次の月の葉書がある方向を向いたのだ
香雲)どうしたの?ナラビ君?
香雲が、聞くと
ナラビ)まだ、だいぶ先だけど月の光の“感じ”が動いている
ナラビは、方向を向きながら言った
風紀・香雲)えっ?