10分前、見知らぬ二人が愛し合った部屋で二人は重なり合う
互いに悲しくはない いつものことだ
女は男の髪を洗うのが習慣になり 男はそれを素直に受け入れる
その時 静かに時は流れる
男は目を閉じ 女は静かに髪を洗う
心に秘めた言葉は互いの温度で確かめる
飾られる花瓶が倒れるくらいの時は
無表情で互いを交わす
決して慣れてもいないくせに・・・
1時間後、見知らぬ二人が温度の残った部屋でまた愛し合う
誰も悲しくはない あたりまえのことだ
女は男に金を渡すのが習慣になり 男はそれを素直に受け取る
その時 静かに星はきらめく
男は目を瞑り 女は幸せを噛みしめる
心に秘めた思いは星の数で確かめる
無数にある星達が目に映るくらいの時は
無愛想に互いを認め合う
決して強くもないくせに・・・
星の数だけ 喜び、悲しみ
いい年した二人が隠れ家をさまよいながら
かくれんぼする姿はまるで幼い子供のよう