夏休みも終わって始業式の朝ー。
北海道の夏休みは短いー。
なんでだろ‥???
大体、7月24日が終業式で、
8月19日に始業式だなんてー。
1カ月無いじゃんよー。
本州の夏休みって、1カ月以上あるっていうしー。
羨ましいなー。
あたしは休みボケの残る体を無理に奮い立たせて、布団の中から出ようとしたー。
『奈央〜?!起きてる?!遅刻するわよ!!』
キッチンから母の声がしたー。
『はぁい。もう起きてるよぉ‥。』
今日からまた、いつもと変わらぬ朝の始まりー。
あたしと母の朝の始まりー。
『行って来るね。お母さん。』
『はい。行ってらっしゃい。今日は母さんが夕飯の支度当番ね。いつも勤務先の弁当屋から余ったお弁当を頂いてくるから、この頃の夕飯はずっとお弁当だったわね。今日は早く帰って来て母さん、奈央の為にちゃんと御飯作るからね。』
母はそう言って、あたしを学校へ送り出そうとしたー。
夕飯の支度は母とあたしで、一週間交代の当番制にしていたー。
『母さん無理しないで。夕飯位、あたしが作るから。』
あたしはいつも母にこう言っていたが、母は聞き入れてはくれなかったー。
母は仕事も家事も、決して手抜きをしない人だったー。
そんな完璧な母を、あたしは望んでいた訳じゃなかったのにー。
母は自分に厳しい人だったから、
寝る間も惜しんで働いていたんだー。