奈央と出会えたから。<55>

麻呂  2008-01-22投稿
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夏休みも終わって始業式の朝ー。


北海道の夏休みは短いー。


なんでだろ‥???

大体、7月24日が終業式で、


8月19日に始業式だなんてー。


1カ月無いじゃんよー。


本州の夏休みって、1カ月以上あるっていうしー。


羨ましいなー。


あたしは休みボケの残る体を無理に奮い立たせて、布団の中から出ようとしたー。



『奈央〜?!起きてる?!遅刻するわよ!!』


キッチンから母の声がしたー。


『はぁい。もう起きてるよぉ‥。』


今日からまた、いつもと変わらぬ朝の始まりー。


あたしと母の朝の始まりー。



『行って来るね。お母さん。』


『はい。行ってらっしゃい。今日は母さんが夕飯の支度当番ね。いつも勤務先の弁当屋から余ったお弁当を頂いてくるから、この頃の夕飯はずっとお弁当だったわね。今日は早く帰って来て母さん、奈央の為にちゃんと御飯作るからね。』


母はそう言って、あたしを学校へ送り出そうとしたー。


夕飯の支度は母とあたしで、一週間交代の当番制にしていたー。


『母さん無理しないで。夕飯位、あたしが作るから。』


あたしはいつも母にこう言っていたが、母は聞き入れてはくれなかったー。


母は仕事も家事も、決して手抜きをしない人だったー。


そんな完璧な母を、あたしは望んでいた訳じゃなかったのにー。


母は自分に厳しい人だったから、


寝る間も惜しんで働いていたんだー。

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