25日ぶりの教室には相変わらず、あたしに対しての異質な空気が流れていたー。
中学入学後、約一カ月にして、クラスメイト全員からシカトされ続けて来た事実を、
今日からまた現実のモノとして受け止めなければならなかったー。
少なくとも夏休みの間は、この現実から逃避する事が出来たし、
何よりもあたしにとって、とても楽しい思い出が出来たコトは、
あたしのこれからの中学生活を前向きにさせてくれるかの様な期待感さえ感じさせてくれたー。
それは、
同じクラスの一番後ろの席ー。
北岡 聖人ー。
彼のおかげだとー
あたしは思ったー。
『出席をとるー。』
担任の渋川にとっても、今日からまた、
“事勿れ主義のサラリーマン教師”
を演じる第二幕の始まりだったー。
今学期発の渋川の退屈な説教を聞き終えたあたしは、
これから長い校長の話を聞く為に、体育館へ向かうべく、
廊下へ並んだー。
廊下に出る時にちらりと見た教室の一番後ろの席はー
やはり今日は空席だったー。